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ヴィラ「C」:構造解析ソフト会社のコンペの応募案

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コンセプト



潟Aークデータ研究所が開発した建築用一貫計算プログラム:ascal(アスカル)は、 これまでの他社製品と異なり、 自由な3次元形態を入力できることが特徴である。

この入力機能を利用して、魅力的な構造形態を作成するコンペが開かれた。 本案は、このコンペへの応募案:仮想プロジェクトである。

自由形態であるから、なるべく通常のビルディングタイプ=タテヨコの梁-柱状 ではないものがいいと思い、数年前に創作した構造スタディ案を入力した。

アルファベットの"C"を金太郎アメ状に押し出した形態の半チューブ状のシェル構造である。

当然ながら単なる形遊び:「絵に描いた餅」ではなく、構造的に成立している。

チューブ両脇を斜め支柱で支持され、ピロティが構成されている。ピロティは駐車場に適している。

レイキングコラムなどとも呼ばれるこの形式の斜め柱は関西空港屋根の支持柱などにも用いられている。

この形式の柱は、鉛直力、水平力の両方に抵抗できる 効率的な構造であると同時に、一般的な「まっすぐな柱」と異なり、既視感があまりないため、未来的な印象を与える効果がある。

チューブの"C"の途切れた部分には建物幅分の水平なガラスサッシュをはめこみ、妨げのない、ダイナミックな眺望が得られる。

斜め支柱の上部のみはシェルのダイヤフラム(補剛構造)となる必要があるため、 "C"ではなく"O":リングとしている

丘や崖の上に立つ山荘(villa)などに適している。

コンペは入賞どまりであったが、優勝案も含めた他の作品の大半はやはりビルディングタイプであり、それらの中でも 最も創造性のあるものであったと自負している。


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