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バンブータワー

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基本ユニット:HP曲面の幹部

ある一本に対して次々にねじれた角度で取り合ってくる
(中央のパイプのみ誇張して図化)

大まかに言うと、両者は同等

節部は突き出た横倒しのV型をつくり、 大まかには
直径D、幅tの水平リングと同等の性能を持つ

まずはタワーだけ建てておき、
後から床を追加すればよい

床構造の例:ケーブル補強

■ 「竹」をモチーフに

「竹」はご存知の通り、空洞の幹部と、仕切り板となる節部を持つ、特異な植物である。

「節」は空洞の幹が歪むのを防いでおり、これは構造的には水平補剛板=ダイアフラムとして働いている。 本タワーはこの竹をモチーフとしたもの。

HP曲面の「幹」部と、それが取り付くリング状の「節」部より成る。

■ HP曲面の「幹」部

幹部は細径のパイプを、下端と上端を互いにズレた位置に留めることで、ねじれた、くら型のHP曲面=双曲放物面を構成する。

このようにHP曲面は、曲面でありながら直線の部材でつくることができ、部材の曲げ加工が不要で、製作手間を低減できる特徴がある。

またHP曲面はタテヨコ両方に曲がった曲面のため、座屈に非常に強い特徴を持つ。

具体的には左図のように、ある一本の柱に対して各柱が次々にあらゆる角度で取り合ってくるため、 柱材の座屈長さが短くなる。

柱は座屈長さが短いほど支持できる荷重が上がる。この結果、曲面全体の座屈耐力、支持できる荷重が非常に高くなる。

 


左図は本タワーを真上から見たところだが、直径D,深さtをもつHP曲面の円筒タワーは、非常におおまかに言うと、 直径D,肉厚tのパイプと同等の性能を持つ。
これは非常に効率が良いのと同時に、自重を大幅に軽減できることを意味する。

タワー、ビルの総重量の大半は自重だから、このことは大きな意味、利点を持つ。

■ 節部:床なしでも補剛効果が

「節」に当たる部分は、上下からHP曲面が取り合ってきて、突き出た、 横倒しのV字型を構成する。これより、水平方向に非常に大きな剛性を持つ。
ちょうど直径D、巾 t の水平リングと同等に働く。

このため、床がなくてもダイヤフラム:水平補剛構造として働く。

通常のビルは、床があることで、それが水平補剛板として働くが、本構造の場合、それがなくてもよい。
このことは後述の点で非常に都合が良い。

■ 超々高層も可:都市のインフラとして

本構造、このタワーには「スケール」がない。 つまり直径3m,節までの高さ=階高3mの小規模ビルでも、直径100m,階高50mの超々高層でも可能である。
すると次のようなことも考えられる。

例えば直径100mの本タワーを何本も、床なしで都市のインフラストラクチャー:基盤構造として建てておく。 既述のように床が無くても構造として成立する利点が生きる。
その後、需要(人口増加)に応じて床を必要なだけ張る、ということも可能である。

かつて丹下健三氏、磯崎新氏が発表した都市計画に適しそうな大規模構造である。
また床を後から増設できるということは黒川紀章氏、菊竹清訓氏らの「メタボリズム」にも符合する。

まさに都市に「竹林」ができたイメージである
(冒頭の画像)

床については、円形であることから、下面を円形にケーブル補強したものが考えられる。

本ページでは上から下までまっすぐな、ストレートなタワーの形態を挙げたが、変形したもの :コーン状に上部が小さくなっていくものや、中央部が膨らんだ樽型のものも可能である。


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